水分補給の際のポイント

水分補給について

私たち人間の体は、約60%が水分で出来ています。
そのうちの2〜3%が失われただけでも運動能力が低下することがわかっています。
では、水分は体内でどのような働きをしているのでしょうか。

  1. 体の隅々まで栄養を届ける
  2. 代謝を助ける
  3. 体内の老廃物を便や尿として排泄する
  4. 体温の調節
  5. 体のpHを調節することにより、酵素が働きやすい環境を作る

体内の水分が不足すると、血液の粘度が増していわゆる「ドロドロ血」となり、血管が詰まりやすくなります。
そのほかにも、老廃物をうまく流せずに便秘や乾燥肌の原因、また、水分が不足すると体内に水分を溜め込もうとするために、むくみの原因となり、パフォーマンスの低下に繋がります。
水分補給はコンディショニングの一環です。
タイミングや量など、コツをつかんで上手に水分補給をしましょう。

水分補給の目安

  • 運動前に300〜800ml(試合中などに水分がとれるかどうかで変わってくる)60分前
  • 運動中15〜20分ごとに100〜200ml
  • 運動後の体重減少が2%以内に留めることが望ましい
  • 運動前と運動後で体重が増えるほどはとらない(フルマラソンでも2〜4リットル)
  • 発汗量は多いがエネルギー消費量が少ない場合⇒水での補給
  • 発汗量が多く、エネルギー消費量も多い場合⇒スポーツ飲料の利用
    ※1時間程度のウォーキングであれば、水でOK
  • 速やかな水分吸収を促すためには、浸透圧の調整が大切
    <糖40〜80g+少量(2g以下)の食塩+レモン汁など(クエン酸)>+1リットルの水
    糖分が少ないと、腸での吸収が遅くなります。
    糖分が多すぎると、胃から腸への流入が遅くなります。
  • 水温は5〜15℃
  • 膨満感をもたらす炭酸は不向き

抗酸化物質について

運動時には、活性酸素の生成が増加

活性酸素とは

  • 反応性が非常に高い不安定な酸素分子
  • 生体のエネルギー源になる酸素の約2%は活性酸素に変化
  • 病原体に対する殺菌力がとても強く、実は人体にとって一定量は必要
  • 一定量を超え過剰に発生すると臓器や組織に悪影響

抗酸化物質とは

  • 活性酸素を除去し、正常な状態に戻す体内物質
  • SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、尿酸、フィトケミカル(ポリフェノールなど)、カロテノイド(リコペン、βカロテンなど)
  • 抗酸化物質のサプリメント補給は、その有効性はわかっていません。

まずは、野菜や果物の摂取が大切です。