栄養素補給の際のポイント

炭水化物

エネルギーの半分以上を占める主要なエネルギー源

炭水化物

  • 単糖類・・・ブドウ糖
  • 二糖類・・・砂糖
  • 多糖類・・・でんぷん

米、パン、麺などの穀類・芋類・かぼちゃ・とうもろこし・砂糖などから摂る事ができます。

ビタミンB1は、糖質がエネルギーになるのをサポートするので一緒に摂りましょう。
(玄米、ライ麦パン、豆腐、ごま、ぬか漬け、ピーナッツ、豚肉、うなぎなど)

運動前の補給(直前ではなく)は、バナナなどの果物、おにぎり、脂質の少ないパンなどの摂取がお勧めです。

急速に糖の回復をしたいときは、スポーツドリンク(2倍に薄めることをオススメします)、ソフトドリンク、果物(ジュース)、脂質の少ないジャムパンなどの摂取がお勧めです。

ゆっくりとした回復で良いときは、おにぎり、パンなどの主食、芋・かぼちゃなどの摂取がお勧めです。

※急に多量の糖を摂ると、反動性の低血糖に陥る可能性があるので注意。個人にあった量とタイミングを把握しましょう。

  • 玄米、そば⇒栄養価が高いが、消化が悪い(腹持ちが良い)
  • 白米、うどん⇒消化に良いが、栄養価は低い

量が食べられないときは

  • 主食だけでなく副食からとる工夫をしましょう。
    →間食を数回に分けて取り入れることで、不足しがちな栄養素を補えます。
  • 餅やベーグルなど密度の高い主食をとりましょう。
    →力うどんや焼きそばパンなどにすると、1食でも炭水化物が多く摂れます。
  • かぼちゃやじゃがいもなどをスープで取り入れましょう。
    →温かいスープで胃を適度に温めることで、消化がスムーズになります。
  • フルーツスムージーやミルクセーキもお勧めです。
    →生の果物だとあまり量が取れなくても、スムージーにするとカサが減ってより多くの野菜や果物を簡単に摂ることができます。

脂質

同じ重さでも、炭水化物の2倍以上のエネルギーを持つので、コンパクトにエネルギーをとることができる栄養素です。

  • 糖質1g=4kcal
  • 脂肪1g=9kcal

となります。
油脂、種実類、アボガド、ゴマ、くるみなど

ここに注意!!

油は「質」が重要です。

油(脂肪)は空気と触れたり、熱を加えたりすることによってどんどん酸化し、体の不調の原因となります。
揚げ物の油は2度3度と使い回さないことや、開封してから時間がたったものには手をつけないなどの工夫が必要です。
油も野菜や果物と同様に新鮮なものを早いうちに食べましょう。
また、亜麻仁油、シソ油などは特に酸化されやすいので、生食で利用しましょう。

※インスタント食品、菓子類、油揚げ、総菜類などは、食品衛生法・JAS規格で“酸化”“過酸化物価”の基準値で規制されています。

植物性油脂・・・オリーブオイル、大豆油、紅花油、ごま油、菜種油など
動物性油脂・・・ラード(豚)、ヘッド(牛)は避け、食品に含まれているもの程度に。バターや生クリームなどの乳化された油脂は、風味を活かしながら控え目に。

トランス脂肪酸

マーガリン、ショートニングなどに含まれており、植物性油脂を工業的に水素添加し、固形化させた油脂を作る過程でできた脂肪酸。
多量の摂取が血液中のLDLコレステロールを増やし、心疾患のリスクをあげる可能性があることから、使用制限をしている国・地域があります。

たんぱく質

ビタミン、ミネラル

筋肉・骨格・臓器などの構成物質、ミネラル・脂質などの体内での運搬役です。
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などから摂ることができます。

ここに注意!!

たんぱく質は「質」が良いものを選びましょう

朝食は必ず摂りましょう。
エネルギー源となる主食(炭水化物)は、毎朝しっかり摂りましょう。
⇒特に夏場は食欲落ち始めに気をつけて下さい。冷たい水分を大量に飲むと、胃が弱って食欲が落ちます。

☆ワンポイント講座

朝食の重要性

加工肉、加工魚(ウィンナー、ハム、かまぼこ、ハンペンなど)には食品添加物が多く使用されています。
食品添加物には「リン」が多く含まれています。
適量のリンは必要不可欠なのですが、食品添加物の摂取により、リンの摂取が過剰となるとカルシウムの吸収、利用を低下の危険性がありますので、注意が必要です。

たんぱく質+鉄分で、吸収率アップ

大切な鉄分は、たんぱく質と一緒に摂ることで吸収率がアップします。
赤身肉、赤身魚などは、たんぱく質+鉄分の重要な供給源です。

ビタミンCもこまめに補給しましょう

ビタミンCは体内でのたんぱく質の合成を高めます。
しかし、一度に大量に摂ってもその時に必要がなければ体外に排出されてしまいます。

☆ワンポイント講座

脂質の種類と脂質量

飽和脂肪酸・・・肉、乳製品に含まれ、コレステロールを作りやすい
不飽和脂肪酸・・・魚、大豆に含まれ、中性脂肪をコントロールします

豆腐納豆うなぎ牛モモ(赤身)鶏モモ皮つき鶏モモ皮なし
たんぱく質量(g)516.517.122.321.716.218.8
脂質量(g)31019.34.17.6143.9

豆腐、納豆は、意外に脂質が多い。鮭は、比較的効率的にたんぱく質が摂れます。

ビタミン・ミネラル

エネルギー代謝や身体の構成物質として利用。身体の調子を整えるもの。
野菜、果物、海藻などが注目されますが、動物性食品から摂りやすいビタミン・ミネラルもあります。

特に気をつけたい鉄とカルシウム

1)鉄
鉄は赤身肉、赤身魚、海藻、あさり、はまぐり、大豆製品、小松菜、大根やかぶの葉などに多く含まれています。
肉や魚などの動物性の食べ物には、筋肉の材料であるミオグロビン(たんぱく質の一種)が含まれており、野菜や豆などの植物性の食材に比べると、鉄分の吸収率は5〜7倍も高くなります。
しかし、植物性の食材でも、ビタミンCを一緒に摂ることで鉄分の吸収を上げることが可能です。
2)カルシウム
カルシウムは牛乳、ヨーグルト、海藻、高野豆腐、小魚、モロヘイヤ、大根やかぶの葉に多く含まれています。
カルシウムも鉄と同様に吸収率があまり高くないのが特徴です。
しかし、クエン酸と一緒に摂ることによって、カルシウムの吸収を高めることが出来ます。
カルシウム+クエン酸の組み合わせとしては、ヨーグルトに柑橘系の果物を入れる、小魚(イワシ)の梅煮などがあります。