大会主催者が語る、「スクスクのっぽくんカップ」への想い

テニスに取り組む子どもたちの成長を応援する「スクスクのっぽくんカップ」。現在では開催数が年間で350大会以上を超え、さらには初心者から試合経験を積みたいジュニア選手まで1万人以上もの子どもたちが参加しています。

ここでは、スクスクのっぽくんカップの企画主催・運営を行うファイブフォー株式会社の上原隆明さんが、参加するみなさまへ、大会に対する想いやメッセージをお届けします。

スクスクのっぽくんカップ主催
ファイブフォー株式会社 上原 隆明さん

国内のテニス大会を転戦しながらコーチ業を行った後、28歳でジュニア選手育成コーチの責任者に。全日本ジュニアテニス選手権や全国小学生テニス選手権大会に出場する選手を輩出する。その後、スクール運営、イベント企画主催・運営などに従事し、現在に至る。【戦績】日本ランキング最高位 122位、国際大会(F7グリーンフューチャーズ)本戦出場

ジュニア大会主催のきっかけは、「試合に慣れる環境を創るため」

私は元々ジュニア向けのテニスコーチや選手育成を行っていたんですが、実はジュニアの公式戦というのは非常に盛んなんです。小学生で言うと、全国小学生大会を頂点に、その下に関東小学生大会、都道府県の大会があります。また、もうひとつの大きな大会である全日本ジュニア大会も同じで、その下に関東大会、都道府県大会が開催されます。基本的にはその2本の柱がジュニアの公式戦と言われていて、だいたい3月からスタートして夏にすべての試合が終わるというのが1年のスケジュールになっています。

しかし、それらの公式戦というのは、ほとんどが一発勝負のトーナメント方式。つまり、一度負けてしまうと、その年は試合に出ることができないんです。その一方で、当時は公式戦以外の大会というのが非常に少ない状態。その結果、多くの選手たちが試合慣れできないまま公式戦を迎えるという状況だったんです。

いきなり本番の場に立たされるわけですから、緊張のあまり自分の力を発揮できない選手も少なくありません。そういうシーンを多く見かけたので、「もっと練習試合のようなイメージで参加できる大会があっても良いのではないか」という想いから、現在のような大会を開催することを決めました

年間1万人の選手が集まる理由は、「気軽に試合を経験できる」から

このような大会の主催をはじめたのは約6年前。現在では「スクスクのっぽくんカップ」というかたちで大会の規模を広げ、学校の授業がない土日や祝日、または夏休みや冬休みなどの長期の休みの機会を使って大会を開催しています。年間の開催回数も成長していて、今では1年間で350大会。平均すると1日に約1回行われる程度にまで増え続けています。週末などの繁忙期には、全国各地で8大会を同時に開催するというときもあります。

現在のジュニア選手の参加者の数は、ひとつの大会につき15人~45人程度でしょうか。私たちの大会では、「負けても試合に出られる」ということを大切にしていますので、最初にリーグ戦を行い、そのあとにトーナメント戦を行うという流れをつくり、4時間ほどの滞在時間で少なくとも1日3試合には出られるということを基本にしています

通常のレッスンの前でも気軽にエントリーできますし、毎週末に必ず関東で大会があるということもあり、現在ではおかげさまで毎年1万人ほどの選手たちに参加していただいています。

試合を通じて、様々なことが前向きに対応できるようになる

参加する子供たちの多くは初心者なんですが、最初は緊張してる子が多い印象があります。典型的なのは、テニスの試合中のセルフジャッジのとき。テニスではプレー中のジャッジを自ら行って、自ら宣言しないといけません。しかし、慣れていない子の場合、最初はジャッジの声があまりでないんです。やはり初心者の選手ですから、自分が行う判断に自信がないのかもしれません。しかし、試合をこなすうちにだんだん環境に慣れ、自立心が芽生えてくるので、3試合目になると自然と大きな声が出るようになっているというケースが非常に多いように思います。

また、何度も大会に参加している常連の選手になると、自分に対する自信も生まれてくるようで、はたから見ていてもプレー中の態度や目つきが真剣になっていく様子がわかります。最初に声をかけたときはずっと下を向いたままだった子でも、大会を重ねるうちにしっかりと私の目を見てあいさつをしてくれるようになったり、そういう変化が高学年、低学年に関係なく子どもたちに表れるのがこの大会の特徴ですね。

テニスの大会を通じて、いろいろなことがポジティブに捉えられるようになる--。そういう成長の過程を見ることができるのも大会の大きな魅力だと思います。

今後は、全国規模の大会の開催や異文化交流の場としての活用も検討

スクスクのっぽくんカップというテニス大会は、ご両親の手を借りずに、子どもたちが自分たち自身で悩み、考えたりしながら、自立心や問題解決の能力を成長させていく場所だと考えています。最近では、過去に参加した常連の選手たちが、全日本や世界の舞台でも活躍するようになり、その成長を大変うれしい思いで見つめています。

今後は、現在大会を行っている関東や関西、東北からさらに活動の枠を広げ、全国レベルでの大会を開催することを計画しています。また、「言葉を使わずコミュニケーションができる、スポーツの場」であるという特徴を活かし、海外の子どもたちを積極的に招き、異文化交流ができる大会にしたいとも考えています。もちろん、このような活動を行うには、現実的にクリアしていかなければならないことも多いでしょう。ですが、実現することができれば、子どもたちにとってさらに大きな成長が望める場所になるに違いありません。


スクスクのっぽくんカップは、「一度だけテニスをやったことがある」という選手でも十分に楽しめ、実りがある大会です。みなさまのご参加を、ぜひお待ちしています。

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